シルバーウィークは皆さま楽しくお過ごしになれましたか?
都内は生憎の天気でなかなか外で楽しく!というわけにはいきませんでした。また台風25号の影響もあり、被害に遭われた方、影響を受けた方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。一日も早く日常が戻ってくることをお祈り申し上げます。
さて、そんなぐずついた天気から一転、今日は青空が広がっている東京。
シリウスでは以下の写真展が開催中です!
並木すみ江 写真展「オキナワ・チャンプルー」
期間:2026年9月24日(木)~9月30日(水)

沖縄の写真展と聞いたら、どんな写真を思い浮かべるでしょう。
青い海。白い砂浜。赤瓦の家。首里城。鮮やかな民族衣装や、南国の強い日差し。
けれど、今回の写真展に並ぶのはモノクロ41枚。しかもテーマは、「戦争の遺跡・基地」そして「くらし・文化」です。
沖縄の暮らしのすぐ隣には基地があり、その土地の歴史の先に、現在の沖縄があります。これは沖縄を約20回訪ねてきた並木すみ江さんが、自分の目で見て、耳で聞き、そして少しずつ知っていった沖縄の記録です。

並木さんが初めて沖縄を訪れたのは1991年。ご夫婦での観光旅行でした。
竹富島では水牛車に揺られながら、おじいの三線を聞く。首里城では民族衣装を羽織って記念撮影。いかにも初めての沖縄旅行らしい、楽しそうな光景が目に浮かびます。
そして、初めて食べた沖縄そば。ところがこちらは、「何とも不思議な味で好みではなかった」のだそう。
最初から特別な思いを抱いて沖縄へ向かったわけではなく、普通の旅行者として出会い、食べ、驚き、楽しんだ。それが訪問を重ねるうちに沖縄の食べ物も好きになり、お土産には必ずマンゴーを買い、あれほど不思議だった沖縄そばまで、ときどき無性に食べたくなるようになったそうです。
そして、いつしか、「沖縄は故郷のような気がしている。居心地がいいのだ」と思うまでになったのだとか。

2000年代には写真仲間と。2010年代には学校の先生たちのグループと「もっと知りたい沖縄」ツアーに参加。世界遺産や伝統芸能、美ら海水族館などを訪ねる一方、戦跡や米軍基地にも足を運ぶようになります。沖縄を知れば知るほど、観光だけでは見えてこなかった風景が現れてきます。
トーチカや陣地壕。普天間基地。伊江島での米軍降下訓練。辺野古や嘉手納基地。そして、沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故の現場。
並木さんがカメラを向けたのは、ニュースで耳にしたことのある場所だけではありません。実際にそこへ行き、自分の足で立ち、自分の目で見た場所です。

そしてもう一つ注目したいのが「くらし・文化」の存在です。
首里城。亀甲墓への墓参り。海で働く漁師。サトウキビ畑。市場。闘牛場。沖縄舞踊。斎場御嶽。そして、東シナ海の荒波が断崖に打ち寄せる辺戸岬。
こうした生活の断片が、基地や戦争遺跡の写真とともに展示されます。
沖縄は「基地の島」だけではない。もちろん「美しい観光地」だけでもない。人が働き、食べ、祈り、楽しみ、家族と暮らしている土地です。

大きな社会問題を前にすると、「自分に何ができるだろう」と考えてしまいますが、まず見る、その写真が撮られた場所を知る、そこで暮らす人たちがいることを想像する、そして自分の中に何が残ったのかを考える。
並木さんにとって写真に撮ることが「私のできること」だとすれば、私たちにできる最初の一歩は、記録された写真を見ることなのかもしれません。
1991年の観光旅行から始まり、約20回の訪問を経て見えてきた沖縄。懐かしく、楽しく、おいしく、居心地がいい。その一方で、知らなければ通り過ぎてしまう現実もある。
モノクロ41枚の中にある「戦争の遺跡・基地」と「くらし・文化」。二つの沖縄を、ぜひ会場でゆっくり歩いてみてください。見終わって外へ出たとき、「沖縄」という言葉から思い浮かべる風景が、一つ増えているかもしれません。
皆さまのご来館、お待ちしております。




