アイデムフォトギャラリー「シリウス」では
第15回「ゾーンシステム研究会」写真展
「光への探求 (In Pursuit of The Light)」
期 間:2010年10月28日(木)~11月3日(水)
を開催しています。
今回の写真展では、銀塩写真の技法のひとつ「ゾーンシステム」を運用した
銀塩モノクロームファインプリントの美しい写真をご覧いただけます。
会場の様子、会場では作品も販売しています
■ゾーンシステム研究会
ゾーンシステムとはアメリカの写真家アンセル・アダムスが考案した、
モノクローム印画を制作する手法です。
印画紙に表せる黒から白までを10段階のゾーンに分け、
ゾーンの概念で光の明暗を区分けするという発想です。
大型カメラ・大判フィルムを使うことを特徴としており、
とても繊細な撮影ワーク、暗室ワークを必要とします。
日本ではあまり知られていなかった技法ですが、
「ゾーンシステム」の研究者・実践者として日本にその技法を広めた写真家の中島秀雄氏。
中島さんが各地で開催したワークショップに参加し、
その魅力にひき込まれた方々が「ゾーンシステム研究会」の皆さんです。
「ゾーンシステム研究会」の皆さん
入口にはゾーンシステムに関する説明書も!
※中心にいらっしゃる背の高い方が写真家の中島さん
1995年にゾーンシステム研究会を設立し、その代表として会員の指導にあたられている中島さんにお話を伺いました。
■ゾーンシステムとの出会い
写真家である細江英公氏の助手として、9年間を過ごされた中島さん。
その助手時代にアンセル・アダムスの作品と出会い、その繊細さ・美しさに大変な感動を受けたそうです。
そして、調べるうちに行き着いたのがアンセル・アダムスが考案した「ゾーンシステム」でした。
中島さんは、アメリカ・バーモント州 のワークショップ に参加し、
その技法や教え方を学び、日本でワークショップを開催するにいたったそうです。
ゾーンシステムの技法は、自分で何を撮影するのか決め、1枚のために長い時間をかけるそう。
スナップ写真のように偶然やタイミングでの撮影とは全く異なります。
そしてゾーンシステム研究会では撮影から現像、プリント、額装まで全てを行うそうです。
「個々の審美眼によって撮影する」と中島さんは言います。
一度ご覧になった方は、ゾーンシステムならではの質感や美しさなど、
モノクロームの印象深いプリントに驚きを覚えたのではないでしょうか。
また、印画紙を最大限に活かす技法は「ゾーンシステム」だと中島さんは教えてくれました。
一つ一つの作品は、職人にも似た繊細な過程を重ねて出来上がります。
皆様も、ぜひゾーンシステムによるモノクロームファインプリントの美しさを堪能しにご来場ください。
平日・土曜は10:00~18:00まで、日曜日は休館です。
皆様のご来場を心よりお待ちしています。
(この記事は望月が担当しました)