大原　京　写真展

　私は30年ほど前から、夫の仕事の関係でしばしばハワイを訪れていました。そして丁度還暦を迎えたある日一眼レフカメラに出会い、ファインダ－を通して見る人々の生き生きとした姿や、魅惑的な風景にいっぺんに心を奪われてしまいました。
　光り輝く波に興じる若者たち、青い海原を駆け抜ける爽やかな風と海辺を散歩するファミリ－の姿。
　私は寸暇を惜しんでビ－チに走り、街を歩き、世界中から吸い寄せられるように集まってくる人々の生きる姿をカメラに収め続けました。
　しかしその後、ともに過ごした夫がこの世を去り、早や7年の歳月が流れました。時は走馬灯のように足早に過ぎ去ってゆき、この頃はハワイへの思いだけが一層強く心に残っていくように感じられます。
　そこで、この辺で写真を志す者としてとして一つの区切りをつけ、再スタ－トしたいと感じるようになりました。
　この度のこの写真展が、その一つのきっかけになってくれることを期待したいと思います。
　ハワイの光と色と人々を魅了する安らぎのオアシスがいつまでも続いていてくれることを願って。