東日本大震災により三陸の水産漁業は壊滅的な被害を被りましたが復興に向けて様々な議論がなされています。その復興を願って相模湾西方の定置網漁で逞しく働く漁師の世界に焦点を当てました。
定置網漁は神奈川県の沿岸漁業の60%余を占める代表的な漁法です。直接魚を獲る光景は紹介されることがありますが、その前後の準備や出荷、漁具類の保全、補修の仕事が大きなウエイトを占めることは意外と知られていません。いずれも天候に左右されやすく危険と隣り合わせの厳しい力仕事でスピードとチームワークが不可欠です。
『良い漁場は美しい浜が不可欠』と言われています。昨今は地球温暖化、生活様式の変化等により漁業関係者は厳しい環境に置かれています。しかし彼らは地域の伝統や歴史を大切にしながらこよなく海を愛し逞しく働いています。
相模湾の定置網で働く漁師たちの姿を通して沿岸漁業の在り方について思いを巡らせていただけたら幸いです。
撮影期間 2005年~2011年
撮影場所 相模湾西方の定置網漁場、主として 大磯、二宮、小田原、真鶴〔岩〕の定置網、および小田原魚市場、神奈川県水産技術センター 他
使用機材 フィルムおよびデジタル35㎜一眼カメラ
2005年に『湘南漁業-小さな浜で働く漁師たち』と題してコニカミノルタで発表した地曳網漁写真展の連作と位置付けました。
プロフィール
京都生まれ育ち、学校卒業と同時に神奈川県へ転入。現在二宮町在住。学生時代からカメラに親しむ。写真家熊切圭介氏に師事。写真協会会員。主として湘南地方の風物をテーマに撮影。近年はテーマを漁師の世界を重点に撮影。東京都、横浜市、湘南地方で個展を多数回開催。 2005年以降は湘南の漁師の世界を撮り続けています。