今日は台風が近づいている影響もありシリウスのある新宿は強い風が吹いています。何かが飛ばされたりしなければいいのですが…シリウスにお越しの際はどうぞお気をつけて。
さてシリウスでは以下の展示を開催中です。
岩波友紀 写真展 「Blue Persimmons」
期間:2025年10月9日(木)~10月15日(水)

岩波友紀さんは長野県出身。新聞社写真部に勤務しのち福島県に居住し、東日本大震災と福島第一原発事故に関したテーマを中心に作品を制作されています。(HP)
今回展示している作品は福島第一原発事故後の福島に今も残る被害の爪痕や、住民たちの心の傷などを写真通して写し撮ったものです。これまでニコンサロン、KG+select、大邱フォトビエンナーレ、シンガポール国際写真祭で同タイトルの展示を開催し、今回はそれらの展示を経て完成した「Blue Persimmons」シリーズの完結編となります。

展示されている作品の中でも印象的なのが綺麗に色づいた柿と、汚染土を入れた沢山の青い土のう袋。“Persimmons”は日本語で「柿」。ここで言うBlueは大量の青い土のう袋を意味しています。「“青い”は未熟っていう意味でもあります。人間の未熟さでこんな事故が起きてしまったという皮肉も込めています。」
対比するように飾られたこの2枚の写真。
廃棄された柿は腐っても長い時間をかけ分解され、いずれ土に還りますが汚染土はどうでしょう。廃棄方法も定まらず、自然に戻るわけでもなくただただ並べられ保管され処理を待つばかり。
人間の起こした事故で捨てるしかなくなった自然物と、人間の便利さと引き換えに残ってしまった負の遺産。人間の身勝手さを改めて感じる2枚です。

会場真ん中あたりに個室のような空間が作られていますが、この中にも展示物が。記憶の断片のように小さな写真がランダムに貼られています。中に入ってご覧いただけますので、ぜひ暗幕をめくり中に入ってみてください。

2011年に発生した福島第一原発事故から今年で14年経ち、テレビなどでは3月11日などの節目の日にしかなかなか取り上げられなくなってきました。その土地に住んでいる人にとっては今も続く問題がたくさんあります。当事者だけではなく人間の責任としてみんなで福島を始め被災した土地の未来をしっかり考えていきたいですね。

2024年に発行された写真集「Blue Persimmons」も今回会場で販売します。
会場奥ではこれまでに発行した写真集とZINEも置いていますので、こちらもぜひお手に取ってご覧ください。

今回アーティストトークを開催予定です。予約不要ですので、皆様どうぞご参加ください。
■日時:10月11日(土)15時~16時予定
■場所:ギャラリー内
沢山の方々にご覧いただきたい展示です。皆さまのご来館お待ちしております。
そして2026年4月~9月分の展示申し込みは締め切りました。
皆さまご応募ありがとうございました。これから審査し、月末に皆様に結果通知しますので、もう少々お待ちください。
次は2026年10月~2027年3月までの展示申し込みです。こちらは2026年の3月末が締め切りですので、皆様どうぞお忘れなく。沢山のご応募お待ちしております。