東京でも少しずつ梅雨の気配が近づいてきました。
外で撮影する方には少し不便な季節ではありますが、雨の中の撮影も楽しんでいきたいものですね

さて、アイデムフォトギャラリー「シリウス」では現在
大沼英樹 写真展「未来へつなぐ千年桜」
期間:2021年5月20日(木)~6月2日(水)を開催しています。

今回シリウスで展示する大沼英樹さんですが、実は2011年3月にシリウスで展示をする予定でした。
しかし直前に東日本大震災が起こりやむなく中止に。
大沼さんが暮らす宮城県も津波に襲われ、大沼さんご自身も被災されました。
そんな厳しい状況の中でも力強く花を咲かせる桜を記録しようと、
その年の春から沿岸部を回り始めたそうです。
震災から10年目という節目となる本年。
大沼さんが10年にわたり取材した人々と桜の写真を展示しています。

会場では大沼さんが桜を撮影するなかで出会った人たちとの会話や思いが物語のように綴られています。
シリウススタッフ的に印象的だったのが、お子様のエピソード。
多くの人が目を背けたくなるような町や港の様子を展望台から見た小さい男の子が「きれい」と一言いったというお話。
「怖い」や「悲しい」ではなく、「きれい」という言葉。悲惨な状況の中でも子どもの目に映るものはいつも澄んでいて、純粋で、一直線で、世界の見方が大人とは違うのだなとハッとさせられました。

大沼さんが出会った人々とのお話。どのお話もじっくり読んでいくと胸が詰まり、目頭が熱くなってしまいした。写真と合わせて是非キャプションにもご注目しながらご覧ください。

写真を通して、被災した直後から負けてたまるかと前へ前へと進んでいく人々の力強さに感心するとともに、勇気をいただいたような気がします。そんな被災地の人たちの心の支えになったのが毎年同じ場所で同じように花を咲かせる「桜」なのかもしれませんね。

そして会場奥には過去に出版された写真集も置いてありますので、こちらも併せてどうぞ!
今回は新型コロナウィルスの影響で開催スケジュールが変更になった関係でイレギュラーではありますが2週間展示いたします。いつもより期間にゆとりがありますので、皆様ご都合の良い日にお越しくださいませ。
※発熱のある方や、咳の出る方、体調不良のある方には
ご来館をご遠慮いただいておりますが、
定期的に換気などを実施しながら開館しております。
来館される皆様はマスク着用と入り口でのアルコール消毒や
人との距離をとってご鑑賞くださいますようご協力ご配慮お願いいたします。
しっかりコロナ対策を行い、みなさまのご来館お待ちしております。