アイデムフォトギャラリー「シリウス」では、
村山 玄子(むらやま ひろこ)写真展
「安のあずまや・菩提樹の庭」を開催しています。
今回は、創作意欲あふれる若手写真家(39歳以下を対象)に作品発表の場として「シリウス」の写真展枠
などを提供する支援プロジェクト「プロキオン・フォース」で選ばれた特別展示です。
詳細はこちらをご覧ください。https://www.photo-sirius.net/procyonphos/

村山さんは愛知県豊田市で生まれ、祖父母と両親との5人暮らしでした。
子どもの頃は、学校から帰るといつも祖父母のそばで遊んでいて、そんな村山さんをお2人は
優しく見守ってくれていたそうです。「懐かしさと温かさ」をテーマに写真撮影を行う
村山さんによる本作品展には、祖父母との思い出が詰まった風景が並びます。
【安のあずまや】
子どもの頃、自分の過ごす地が”安心できる場所”であり、その時間をとても心地よく感じていました。
しかしある日、子供心にこの幸せな時間に限りがあることを意識するようになったそうです。
その不穏な感覚は20代になっても時折現れ、「この感覚に真剣に向き合わなければ大人になれない」
と思い至りました。自分にとって向き合うとは写真を撮ることであり、それまで避けていた感情と
真摯に向き合いながら撮影したとのこと。
畑で元気に働く祖父の姿は
“安心できる場所”の見慣れた風景
【菩提樹の庭】
「私にはひろちゃんとの思い出がたくさんあるからね。その思い出があるから、それだけで私は生きていけるよ。」
いずれ訪れるであろう別れに対する不安は、村山さんの祖母のこの言葉で払拭されたそうです。
「幼い私を喜ばせようといろいろなところに連れて行ってくれて、たくさんの思い出を作ってくれた祖母。
祖母はこの地で私の思い出とともに生き続けるし、私もたとえ離れていても思い出とともに生きていける。
そう思うと、不思議と心が穏やかになりました。そんな私を包み込んでくれた祖母は、
まるで悟っているかのようでした。」
そんな想いから、祖母を聖樹である菩提樹になぞらえてこのタイトルにされたそうです。村山さんは、
「わたしはどこにいても心は”菩提樹の庭”に在り、思い出とともに生きていくことができます。」
と、明るく語られていました。

祖母の鏡台も思い出のワンシーン
本写真展では、純粋に村山さんの作品を見て楽しむのも良いですが、
自身の故郷や幼い頃過ごした風景等と作品を重ね合わせ、昔を思い出す“心の旅”をしてみることをお勧めします。
やわらかく温かみのある写真展の会場で、皆様のご来場を、お待ちしています。

「心地よく一日をはじめられる写真」
をテーマに撮影されたフイルム写真
出展枚数:32枚
◆開催期間:2016年3月17日(木)~3月23日(水)◆開館時間:10~18時(最終日は15時まで)
◆休館:日曜 ※入場無料