GWのあとも気持ちのよいお天気が続いています。
アイデムフォトギャラリー「シリウス」の近くには
新宿御苑があります。お出かけするのに気持ち良い
この季節、咲き誇る花や深くなりゆく緑を
楽しんだあとは、写真ギャラリー巡りをするのも、
この地域を訪れる魅力の一つです。
さて。
今回は、5月8日に開催された
国境なき子どもたち「明日を忘れないために―僕らをつなぐフィリピンの歌声―」
ギャラリートークの模様をお知らせします!
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会場には、開始予定時間のずっと前からお客様が訪れ、
展示された写真をご覧になりながらギャラリートークの開始を待っていて
写真展のテーマに対する関心の高さが感じられました。
また、開始時間近くなるとさらに多くのお客様がお越しになり
会場がいっぱいに。一部の方には立ち見をお願いしてしまい、
窮屈な思いをされた方には申し訳ございませんでした。

国境なき子どもたちのギャラリートークは、例年司会を
お引き受けくださっている渡辺真理さんにより、進められました。
今回の写真展は、
フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(下の写真 中央)が
フィリピンの各地を訪れて撮影した写真を展示しています。
渡辺真理さんにナビゲートされつつ、
安田さんが写真の道を志すようになった経緯や、展示作品を撮るに至るまで
感じたこと、考えることが作品の解説とともに語られました。

フィリピンは経済発展の裏側で格差が急速に広がり、
貧しい人々は置かれた状況からなかなか抜け出せない
負の連鎖を生んでいると言います。
そんな中で、人身売買や暴力の被害に遭っても
子どもたちは、自分以外の人を気遣うことを忘れません。
その強さに安田さんは心打たれたそうです。
「この子どもたちに恥じない自分であろうと決意した」と
いう言葉がとても印象に残りました。
国境なき子どもたち(KnK)事務局の大竹さん(上の写真一番左)
と一緒に、活動の状況を紹介しながら、安田さんは
展示される作品の壁面ごとに、撮影の背景を教えてくれました。
背中越しに撮影された少年の、写真には写っていない正面の姿。
なぜ、路上で暮らす子どもたちは夜は身を寄せ合い集団で眠っているのか・・・など
一つひとつの作品に隠された話は、聞く前と後とで作品の見方を変えてしまうような
内容でした。
保護を受けるべき状況にある子どもたちにとって、
求められているのは「お帰り」と言ってくれる場所である、
と安田さんは言います。
帰っていける場所の存在を奪われる理不尽さ、
また失った場所を再建することの大切さが
伝えられたギャラリートークとなりました。
写真展は5月12日(水)15:00まで開催しています。
写真を通じて安田さんの訴えが皆様に届くことを願っています。
(この記事は神田が担当いたしました)