【ご来館の皆さまへのご協力のお願い】
・発熱や咳の症状、体調不良のある方は、ご来館をご遠慮くださいますようお願いいたします。・ご入館の際はマスクを着用をお願いいたします。
・手指消毒液を設置しておりますので、ご入館時は手指の消毒をお願いいたします。
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写真展案内
小学校の校庭の真ん中に一本の大きな桜があった。花弁の降るなかを飛び回って、木の下で家族と弁当をひろげた。人生の節目、節目に出会った季節が懐かしく甦ってくる。破壊と建設が繰り返される東京の中で、懸命に命をつないで咲く老木に、心を打たれ生命力を感じた。昭和の初めに造られたモルタルの家には垣根を越えて、一本の桜が満開であった。昔は近隣の住民が狭い道に机を並べ花見をしたという路地。今の東京にそんな懐かしさが見える街があるだろうか。路地の桜は樹齢60年を経て、今はひっそりと佇んでいる。息子の卒業記念の桜はビルの隙間に追いやられても存在感を出していた。祖父が実生から育てた桜は倒れかけたので昨年伐採したという。居酒屋の開店記念は植木鉢を破って屋根の上に伸びていた。1958年、「売春防止法施行」記念の桜は線路沿いにあった。戦火を潜り抜けた桜は、幾年月も風雪に耐えながら、今も息づいていた。時には無残にも伐られる運命に合いながら様々な環境で咲く姿がいとおしく思えて桜に聞いてみた。―来年も会いたいねとー