
この写真は、2013~2017年の東京を撮影したものである。
気の向くまま、ぶらぶらと歩き、偶然に遭遇したものをスナップした。
私が初めて東京を訪れたのは、1964年修学旅行で…。
東京オリンピック開催直前のことだった。
あれから半世紀、二度目の東京オリンピックに向けて都内では、
急ピッチで工事が進められている。
東京開催は、震災からの復興をアピールしての立候補だったはず…。
被災地では資材も人手も不足しているという…。
オリンピックに便乗した、終わりのない都市の再開発が、街の景色を否応なく変えていく。
行く先の見えない原発事故処理、九州や各地での大災害の復興…。
地方でも、東京でも 弱者は置いてきぼりになってはいないか…。
それでも、日常のなかには暮らしの息吹きを感じる。
「いい写真撮れましたか?」
そんな言葉に誘われて、今日も私は街へと出掛ける。
(モノクロ約30枚)
西寺キサブロウ 略歴
1950年 大阪府八尾市生まれ
千葉県市川市在住
2000年 現代写真研究所に入学、モノクロフィルム写真を学ぶ(金瀬ゼミ在籍~現在に至る)
2018年 写真集「路傍」 出版