

私は「武蔵野」という言葉になぜかロマンの響きを感じます。それは国木田独歩の文学的自然描写の美しさに触発されるのか、幼いころ受けた心象風景が心をゆさぶるのか、武蔵野が好きで撮り続けて半世紀になります。
私と同様に武蔵野に魅せられ撮り続ける写真家に東松友一君がいます。彼は私以上の熱烈な武蔵野大好き人間で、ムサシノという言葉に俄然写欲を燃やし、行動する御仁です。近年、そんな武蔵野を愛する写真仲間に恵まれ、とっておきの撮影地に案内してもらっています。
今回、その仲間たちと写真展を開くことにしました。武蔵野といっても撮る内容は8人8様です。東松友一君は雑木林、今泉信孝君は古民家、宇納 敏君は町田の里山谷戸、橋本英男君は田園、塩野伊勢松君は野の花松本、渡君は武蔵野から望む富士、
矢野靖博君は木樹の四季、私は武蔵野人(びと)、それぞれのテーマを掘りさげており、バラエティーに富んだ武蔵野写真展になりました。ご高覧ご高評いただければ幸いです。
田沼武能
内容及び出展枚数 カラー、14×17、和紙プリント及び A3ノビ(耳付き和紙プリント) 48枚
出展目的 田沼武能氏と日頃撮影に同行し、撮り続けた多くの写真の中から特に思い出の深い作品を発表した。
写真内容 今に残る武蔵野の面影、その「ムサシノ」の四季の移ろいを8人がそれぞれの視点で写真に写しだす。
作者履歴
東松友一(写真家) 1936年、東京渋谷生まれ。 日本写真協会会員
宇納 敏(写真家) 1937年、岐阜県生まれ。 日本写真家協会会員
今泉信孝 1940年、新潟生まれ。
松本 渡 1948年、大宮(現さいたま)市生まれ
橋本英男 1956年、埼玉県川越市生まれ。
塩野伊勢松 1940年、埼玉県飯能市生まれ。
矢野靖博 1940年、東京入谷生まれ。日本写真協会会員、全日本写真連盟会員
田沼武能(写真家)1929年、東京浅草生まれ。日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、全日本写真連盟会長