

火車撮影家集団とは、写真家・小竹直人の呼びかけによって2006年に結成された、中国の蒸気機関車をテーマに撮影する写真愛好家のグループです。これまでに、都内各所のギャラリーでこのようなグループ展を3回開催し、今回で4回目となりました。毎回、これで最後だろうという思いで取り組んで参りました。それは、中国各地の路線で次々に蒸気機関車が撤廃され、活躍の場が限られてきたからです。 現在、遼寧省の鉄法、阜新、元宝山にある炭鉱路線や新疆ウイグル自治区の三道嶺の炭鉱路線、狭軌鉄道では、四川省の芭石鉄路や広元の郊外にある地方鉄路で機関車の活躍が見られる程度にまで減少しました。いま機関車が走る沿線には、大陸的な雄大な風景や重連運転も見ることもありません。しかし、これらの機関車は地域の産業を支えて走る“現役”の蒸気機関車です。 現場では煤まみれになって機関車とともに生きる鉄路員の姿があります。保存鉄道やイベントの機関車にはない、現役ならではの空気感。かつて日本にも流れていた、時空を越えてその空気を感じたい―。それこそが、私たちを大陸に向かわせる原動力となっていました。 大陸に僅かに残された機関車たちも、まもなく終焉を迎える。それは、世界最後の現役蒸気機関車となることでしょう。