池谷 俊一 捨診界典 「KAOSとは半過去と暗室からのメッセージ」

2011/03/10 ~

sirius_vol391

人間の顔の作家として25年が流れた。私のコンセプトは鮮明であって、日本の写真史が創り得なかった領域の作品群と思っている。顔の数は3000人を超えているが、「作品」としての質はやはり1000人程であろう。私の前の時代の作家群にも良作が多いが、どちらかといえば「記録写真」が役割であって、新聞や雑誌等の印刷物に使う為の情報源の気配がする。当時の社会背景からして映画監督や洋画家日本画家や文学者や能役者の為、先方からみればまだまだ写真家は其の地位を高所に置いてはもらえなかったはずである。其の苦労を考えれば現代はむしろメグマレスギである。私の32回目のこの個展はそれらKAOKAOKAOSのライフワークから少し離れる。防湿庫にぎっしりと詰まったKAO以外のNEGA。能。地元の富士山。そして現代若者に教示する写真抽象美。蕪辞なる展ではあるが、これから写真家で食べてゆく次世代への私なりのヒントと思う。FSCからDSCへ。世は変わった。ドット文明でプロは食べられるか。個美は創れるか。記録だけの高校生でも成立する写真次元か。私は写真というものの現代性と問ひをこの展で叫びたい。



池谷 俊一 (いけたに しゅんいち) プロフィール

1943年静岡県御殿場市生まれ。現在日本写真家協会会員、キヤノンプロ会員、写遊人主宰、静岡県映像CG協会顧問。東海大学感性デザイン学科非常勤講師。
1988年 新宿オリンパスホール写真展
1990年 写真集「顔カオカオス」(装丁・池田満寿夫)
1999年 「池谷俊一写圧界」 神田オリンパスギャラリー
2000年 映画「狗神」原田真人監督よりインサート写真ポスター写真依頼受制作
2001年 「KAOS 15年記念展」 銀座キヤノンギャラリー
2002年 鎌倉極楽寺「GOKURAKU亭」ギャラリー1ヶ月特別企画展
2003年 倫理研究所より「日本美賛歌」制作依頼受け18点制作
2005年 「モン・ミュゼ美術館企画展」100点出品
2006年 「KAOKAOKAOS20周年記念展」 アイデムフォトギャラリーシリウス
東海大学非常勤講師依頼される
2007年 秩父宮邸企画展「池谷俊一紗芯界展」
2010年 富士市ZAPPA企画「池谷俊一捨心展」

アクセス

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住所

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
TEL:03-3350-1211
FAX:03-3350-1240
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅下車

アクセス良好

開館時間

開館時間 : 10:00~18:00
(最終日 : 10:00~15:00)
休館日 : 日曜日・祝日の一部(お問い合わせください)

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