
花たちは黙って咲いている めぐる季節の中で息づく小さきものたち
深い山で 川のほとりで見る一木一草は とり巻く舞台装置によく似合う
決して誇示はしない はかなげに揺れるだけ
瑞々しい旬もよし 短い命を生ききって まさに枯れんとする 風情もまたよし
舗装の上に草花は生きない
それでも排気のぶちまけられる道わきの わずかな土に根づく命もある
喧噪の中でも 花は咲く ただ 黙って咲いている
山あいを川が流れ 山里から人里へ 草花がそれぞれの季節を彩る
ある日 きれいさっぱり消えたようでも 自然はまた甦る
当たり前に普通の営みの繰り返しなのに いつも新しい
ここにあるのは 身近に見るありきたりの草花たち
地味な野草に始まったが 外来種の移入 交雑で…もう何でもいいやとなった
美しいから何でも撮ろう
小さな命 見過ごさないよう気をつけて 巨きな足で根絶やしにされませんように
暗く静もる森や林の中で出会ったものもあれば
東京のラーメン屋さんの排気にあおられながら撮ったものもある
移ろう季節の折々に 私の目を引きつけ 遊んでくれた愛しくも小さきものたちです
みんな みんな ありがとう
(モノクロ 54点)
深い山で 川のほとりで見る一木一草は とり巻く舞台装置によく似合う
決して誇示はしない はかなげに揺れるだけ
瑞々しい旬もよし 短い命を生ききって まさに枯れんとする 風情もまたよし
舗装の上に草花は生きない
それでも排気のぶちまけられる道わきの わずかな土に根づく命もある
喧噪の中でも 花は咲く ただ 黙って咲いている
山あいを川が流れ 山里から人里へ 草花がそれぞれの季節を彩る
ある日 きれいさっぱり消えたようでも 自然はまた甦る
当たり前に普通の営みの繰り返しなのに いつも新しい
ここにあるのは 身近に見るありきたりの草花たち
地味な野草に始まったが 外来種の移入 交雑で…もう何でもいいやとなった
美しいから何でも撮ろう
小さな命 見過ごさないよう気をつけて 巨きな足で根絶やしにされませんように
暗く静もる森や林の中で出会ったものもあれば
東京のラーメン屋さんの排気にあおられながら撮ったものもある
移ろう季節の折々に 私の目を引きつけ 遊んでくれた愛しくも小さきものたちです
みんな みんな ありがとう
(モノクロ 54点)
岸川洋子 略歴
1940年 佐賀県生まれ 1979年 夜間 現代写真研究所に学ぶ 1988年 個展「茅葺東京」(渋谷ドイ・フォトプラザ) 1988年 第13回「視点」展で10点組「昌一 テツさんのふるさと東京」で大賞受賞 1993年 個展「マリーナ達に春はいつ モスクワ日記」(銀座ニコンサロン) 2001年 イギリス王宮キュー植物園「英国における日本年JAPAN2001」出展 現在 竹内敏信フォトセミナーに在籍