中島 康夫 写真展

「時の隨(まにま)に 2012 – 2020(+1)」

2021/03/04 ~ 2021/03/10

【ご来館の皆さまへのご協力のお願い】

・発熱や咳の症状、体調不良のある方は、ご来館をご遠慮くださいますようお願いいたします。
・ご入館の際はマスクを着用をお願いいたします。
・手指消毒液を設置しておりますので、ご入館時は手指の消毒をお願いいたします。
・他のお客様との間隔を空けるようお願いいたします。
・大きな声での会話はご遠慮ください。
・混雑時は入館を制限させていただくことがございますのでご了承ください。(出展者を含め25名を限度とさせていただきます。)

写真展案内

還暦、60という年齢が目前にせまり、もう後がないという気分に急き立てられ、ふたたび写真を撮ると決意した。その頃、それに掛ける時間も経済的余裕もあるわけではなく、手許にある8年物のデジカメで、通勤途中や買い物ついでに、日常の見慣れた風景を相手にすることとした。
日常の見慣れた風景の中をカメラをぶら下げて歩いて行く。何が撮れるかは偶然にまかせ、事前に対象やテーマは決めない。歩きながら、ふと何か普段とは違う気配、あるいは視界の片隅に微かな違和感のようなモノをとらえると、近づいて確かめる。そこに何も感じるモノがなければ、立ち去るのみだが、わずかにでも惹かれるモノがあれば、ためしに2〜3枚軽くシャッターを切ってみる。それ以上手応えを感じなければ、次へ行く。
写真を写すということは、世界の一部を切り取って見せることである。何らかの意図をもって撮影し作品化する(他人に見てもらう)のであれば、表現となる。表現は世界(の一部)とはこうであるという、発見や認識を伝えようとすることであり、作品は世界観の表明といえる。新たな発見や認識は、人に本質的な喜びをもたらす。だから良い写真が撮れれば嬉しい。シャッターチャンスにワクワクするのも、それを先取りした感覚が働くからだろう。
シャッターチャンスが訪れ、過ぎ去るまでの短い時間、それを逃すまいと夢中でシャッターを切る。意識は高揚し視覚は強く覚醒する一方、身体感覚は薄れ非現実的な世界に浮遊しているような、陶然とした気分や多幸感を覚えることもある。
そうした軽いトランス状態にあるようなその時、眼の前に見えているモノは何か。思いつきに過ぎないのだが、一つの考えが浮かんだ。それは、日常でも非現実でもない、ありのままの世界(の一部)である、というものだ。見えているモノというより、気づいたモノといった方が適当かもしれない。もしそうならば、写真とは、レンズを通して見ることで、人にありのままを気づかせる、という妙な道具であり稀な仕組みではないか。
今回の展示では、2012年以降に撮影したスナップショット約50点をご覧いただきます。当初この企画は2020年4月下旬の予定でしたが、コロナ禍により1年ほど延期しての開催です。そのため、出品作の一部を20年3月以降に撮影したものと差し替え、サブタイトルに(+1)を加えました。そうしたところで、この災禍に対して何の手立てにもなりませんが、どのような時においても、モノや世界を自覚的に見ること見直してみることは、良く生きることに繋がると思います。

(出展枚数:カラー 約50点)



<略歴>
1952年 東京生まれ
1976年 多摩美術大学デザイン科(プロダクトデザイン)卒業
1978年 多摩美術大学大学院デザイン科修了(修士)
現 在 有限会社エムワンデザイン取締役、デザイナー
<展覧会歴>
1981年 Yasuo Nakajima Presentation Fragrance of Photographic Paper 藍画廊(銀座)
1984年 Yasuo Nakajima Presentation Ⅱ Para-focus 鎌倉画廊(銀座)
1986年 Yasuo Nakajima Presentation Ⅲ Relative or Truly ギャラリーQ(銀座)
2017年 中島康夫写真展「中央線・高円寺界隈」 唐変木(高円寺)
2019年 中島康夫写真展「時の隨に」 唐変木(高円寺) ほか

*新型コロナウィルス感染症拡大防止策でギャラリー臨時休館により2020年4/23~4/29開催予定から会期変更

アクセス

Access

住所

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
TEL:03-3350-1211
FAX:03-3350-1240
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅下車

アクセス良好

開館時間

開館時間 : 10:00~18:00
(最終日 : 10:00~15:00)
休館日 : 日曜日・祝日の一部(お問い合わせください)

アクセスについて詳しく見る