アイデムフォトギャラリー「シリウス」では、創作意欲あふれる若手写真家(39歳以下を対象)に作品発表の場として当ギャラリーの写真展枠などを提供する支援プロジェクト「プロキオン・フォース」をスタートいたしました。
今回、村山 玄子さんの写真展を支援・開催します。
撮らなければ、その寂しさに耐えられなかった―。
いつかは訪れる大切な人との別れの予感。それは、子供の頃から祖父母の傍らで育った兄弟のいない私にとって、ときどきやってきては胸を締め付けるものでした。大人になっても消えることのない切なさと真剣に向き合おうとしたとき、私はカメラを手にとって、祖父母との暮らしという原風景を探しにゆきます。縁側で新聞を読む祖父の佇まい。鏡台に置かれた祖母のブラシ。ずっと変わらないようでいて、風化しつつあるシーンへの憧憬をフィルムに焼き付けながら。
この写真展では、そんな心の旅から生まれた「安のあずまや」と「菩提樹の庭」の2作品を紹介します。
心の旅は、大人になる誰もが通らなくてはならないイニシエーションなのではないでしょうか。この作品を通して、久しぶりに心の旅路を振り返っていただけたら嬉しく思います。
(カラー 約50点)