
宝田久人の写真作品には3つの大きな流れがあります。
大いなる自然の雄大なるエネルギーに迫る、『太陽』『水の中の龍』『千年の樹』
旅と出合いの一瞬に人生の輝きをとらえた、『人々』『ラ・ヴィアン・ローズ』『家族の時代』
時代と現象を日々体感し記録し続けたドキュメンタリー・シリーズ、『止まらない汽車』
『日本狂写集』はドキュメンタリー・シリーズの中でも、バブル期前後の可笑しくも悲しい経済大国・日本と日本人を、ラプソディーという視点からとらえ、現象としての日本、日本人の意識下に流れる原風景と不確実性に肉迫する作品群となっています。
止められない汽車に乗った日本人は、いったい何処に向かおうとするのか?という問いは、20代の『止まらない汽車』からの一貫したテーマでもありました。
今回の写真展では、
20代の 『止まらない汽車』 1970
30代~40代の 『日本狂写集』 1980年代のバブル期
50代~60代の 『ニッポン!チャチャチャ!!』 2000~2012
をあわせて展示することで、
宝田久人という
ひとりの写真家が見つめた「日本という国と日本人」を展望し、
日本人はどこに行こうとするのか?
を再考するものです。