国境なき子どもたち(KnK)は世界のストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子ども、大規模自然災害や国内騒乱で不安定な状況下にある子どもなど、恵まれない青少年を支援するNGOです。世界の子どもたちと「共に成長していく」ことを理念に活動を開始したのが1997年、現在ではKnKの活動地は9の国と地域にまで広がっています。
3.11の震災が発生したのち、写真家として、また人間として何をすべきなのかを考えずにはいられませんでした。私は人間をずっと被写体として撮影してきた写真家です。今、被災地で復興に命を賭ける人々を撮らずしてなにを撮るのか!被災地に足を運ぶたび、被災地の方々に逆に励まされている私がいました。何故なら「お疲れさまです。わざわざ東京から来ていただいてありがとうございます」。そうした言葉を私にかけてくださるのです。「東北は生きる自然環境が厳しいから自分だけが良いのではなく、助け合って生きていく精神が東北にはある、」と東北出身の知人が教えてくれました。こんな崇高な精神性が東北にあることを始めて知った私は、この精神性こそを世界に発信すべきだと思いました。しかし、被災後2年が経ち、東北が置き去りにされがちな風潮を感じました。そこで出会ったのがKnK(認定NPO法人国境なき子どもたち)です。彼らは実に継続的に被災地の子どもたちの傷ついた心を励ますさまざまな活動を続けていました。物心両面にわたる彼らの行動とそれに参加した子どもたちのありのままの表情を撮影してみたいと思いました。
ハービー・山口 (モノクロ約40点)
4月29日(月祝)14:00より写真家ハービー・山口によるギャラリートーク/司会:渡辺真理
※要申込 国境なき子どもたちE-mailへ kodomo@knk.or.jp
主催:国境なき子どもたち(KnK) 企画・構成:国境なき子どもたち(KnK)、FID/映像開発フォーラム
協賛:堀内カラー 協力:G.I.P.Tokyo
【ハービー・山口】 プロフィール
1950年、東京都出身。中学2年生で写真部に入る。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。
一時期、劇団に所属し役者をする一方、折からのパンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。そうした中で撮影された、生きたロンドンの写真が高く評価された。
帰国後も福山雅治など、国内アーティストとのコラボレーションをしながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。
多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで残している。 その優しく清楚な作風を好むファンは多く、「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになる様な写真を撮りたい」というテーマは、中学時代から現在に至るまでぶれることなく現在も進行中である。
写真発表の傍ら、エッセイ執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティー、さらには布袋寅泰のプロジェクト「ギタリズム」では作詞家として参加している。
審査員:CAPA(学習研究社)カメラライフ(玄光社)の月刊フォトコンテスト、よみうり写真大賞
選考委員:上野彦馬賞
受賞歴:2011年度日本写真協会賞作家賞