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写真展案内
ここは、北上山系のなだらかな起伏が急激にその傾斜を変え、深い谷になって太平洋に落ちるところ。200mもの断崖はその険しさと美しさで人々を魅了する。一方で、交通の難所として人々の前に立ちはだかり、「陸の孤島」と呼ばれてきた。今から40年前、岩手県田野畑村の明戸地区は、原子力発電所建設の候補地として取り上げられた。この地域の女性達は「いくら交付金をもらっても、美しい故郷を捨てたくない」と原発建設に反対した。その運動が奏功し、岩手県に原発が建設されることはなかった。
2011年3月11日、東日本大震災。田野畑村の沿岸部は大津波により壊滅的な被害を受けた。もし、この地区に原発が建設されていたなら、福島以上の大事故になっていたであろうとも言われている。
その深い谷に響く。祭りの太鼓と掛け声が。神輿は家々もなければ迎える人々もいない道を進んで行く。かつてここには漁村の町並みが広がっていた。
「小さい祭りだけれど」と地域の人は言うが、その糸が途切れぬよう、そしてどこまでも続くようにと願いを込める。
有史以来、この地域は幾度となく大きな津波災害に見舞われてきた。また、夏にこの地を覆う海霧「やませ」は、たびたび凶作をもたらすものでもあった。厳しい自然と向き合うたびに、人々は結びつきを強め、独自の文化を育んできた。
ここには、この地を守り、この地を住み処とし、次の世代へ心を伝え命をつなぐ人々がいる。
(出展枚数 カラー34点)
<作者略歴>
岩手県久慈市生まれ
北海道大学卒業
1980年 岩手県公立学校勤務
1993年〜1996年 モスクワ日本人学校派遣
2018年 岩手県公立学校定年退職 東京綜合写真専門学校入学
2020年 東京綜合写真専門学校卒業
2021年5月 個展「潮鳴りは空に響もす」MUS’EE F(東京)
2021年8月 個展「潮鳴りは空に響もす」Gallery彩園子(盛岡)