カンボジアの世界遺産、アンコールワット等の遺跡を訪ねるツアーはありますが、私たちは村を訪問し暮らしている人々に会う「村をめぐる撮影ツアー」に参加して来ました。カンボジアは長い内戦の後、首都プノンペンやシェムリアップの街は発展を続けてきましたが、村はどうなっているのか、どのような暮らしがあるのか知りたいと思いました。現在、人口は1600万人を超え若い世代が活躍する時代になりましたが、一歩村に入ると、メイン道路は赤土の道が続き、田んぼや畑で黙々とはたらく人々の姿があり、傍らには懐かしさを感じる元気な子どもたちとの出会いがありました。アジア最大のトンレサップ湖の港で漁業を営む人々、また川での魚捕り、内戦中に多くの踊り子が犠牲になった伝統舞踊の練習場がある村や、陶器や織物、籠作りを復活させた人々を訪ね、現実を見つめた作品作りをしてきました。毎回、同じ村を訪れても、同じ風景に出会うことはありません。田んぼの夕暮れ時には、日常を忘れてしまう時間が過ぎてゆきます。現在のカンボジアを見ていただければ幸いです。
写真展参加メンバー16名
(出展枚数 半切58枚)