
2011年の福島第一原発事故直後から福島で写真を撮り始めた作者は、事故から3年後に福島に移住し、居住者として新たに不条理に気づきます。福島では物理的に加え、精神的にも分断が起こっていました。避難区域で境界線が引かれ、立場の違いで友人との間に境界線が現れました。「普通の」生活を送っているように見える人たちの心には、不安と葛藤が常につきまとっています。それこそが最大の被害でした。
すでに事故からは14年が経ちますが、不条理は続くとともに益々見えなくなっていきます。それは福島だけではなく世界中で共通していると作者は感じています。
土地と、他者との関係は修復できず、心の傷が治ることはなく、真実は霧の中にあるように見えません。何が正しいかは今後もわからないだろうと作者は感じています。それでも彼らが、そして彼らと同じ私たちが、この世界でただ生き続けていくこと、それだけが確からしい真実として存在しています。
「Blue Persimmons」はランドスケープとポートレートによって、分断された福島の土地と人との関係を視覚的に表現し、見えない放射能と福島での見えない被害を可視化することを試みたものです。
【岩波友紀 略歴】
長野県生まれ。新聞社写真部勤務を経てフリーのフォトグラファーとなり、写真家としての活動を始める。現在は福島県に居住し、東日本大震災と福島第一原発事故に関したテーマを中心に作品を制作。人間の生きる理由、土地やモノに刻まれた記憶、などを制作の根底としている。
主な展示に「Blue Persimmons」(ニコンサロン銀座・大阪 2019、シンガポール国際写真祭 2020、大邱フォトビエンナーレ 2021、KG+SELECT 2022 )、「紡ぎ音」(入江泰吉記念奈良市写真美術館 2021、HOKKAIDO PHOTO FESTA 2022 )、「One last hug」(アイデムフォトギャラリー シリウス 2020)、「写真展 福島、東北 写真家たちが捉えた風土/震災」(福島県立博物館 2023)、「BEFORE NOW AND THEN」(Focus Photo Festival 2017)、「FIRE BIRD 火の鳥」(KG+ 2025)など。
出版物に「One last hug 命を捜す」(青幻舎刊 2020)、「紡ぎ音」(入江泰吉記念写真賞実行委員会刊 2021)、「Blue Persimmons」(赤々舎刊 2024)など。
すでに事故からは14年が経ちますが、不条理は続くとともに益々見えなくなっていきます。それは福島だけではなく世界中で共通していると作者は感じています。
土地と、他者との関係は修復できず、心の傷が治ることはなく、真実は霧の中にあるように見えません。何が正しいかは今後もわからないだろうと作者は感じています。それでも彼らが、そして彼らと同じ私たちが、この世界でただ生き続けていくこと、それだけが確からしい真実として存在しています。
「Blue Persimmons」はランドスケープとポートレートによって、分断された福島の土地と人との関係を視覚的に表現し、見えない放射能と福島での見えない被害を可視化することを試みたものです。
(カラー 約50点)
[アーティストトーク開催] 10/11(土) 15:00~16:00 予約不要【岩波友紀 略歴】
長野県生まれ。新聞社写真部勤務を経てフリーのフォトグラファーとなり、写真家としての活動を始める。現在は福島県に居住し、東日本大震災と福島第一原発事故に関したテーマを中心に作品を制作。人間の生きる理由、土地やモノに刻まれた記憶、などを制作の根底としている。
主な展示に「Blue Persimmons」(ニコンサロン銀座・大阪 2019、シンガポール国際写真祭 2020、大邱フォトビエンナーレ 2021、KG+SELECT 2022 )、「紡ぎ音」(入江泰吉記念奈良市写真美術館 2021、HOKKAIDO PHOTO FESTA 2022 )、「One last hug」(アイデムフォトギャラリー シリウス 2020)、「写真展 福島、東北 写真家たちが捉えた風土/震災」(福島県立博物館 2023)、「BEFORE NOW AND THEN」(Focus Photo Festival 2017)、「FIRE BIRD 火の鳥」(KG+ 2025)など。
出版物に「One last hug 命を捜す」(青幻舎刊 2020)、「紡ぎ音」(入江泰吉記念写真賞実行委員会刊 2021)、「Blue Persimmons」(赤々舎刊 2024)など。