
写真展案内
以前、大学の後輩から改造したデジタルカメラを借りた。このカメラで撮影すると、肉眼では判別しづらい木の中にいたカラスが、
白くなった葉の中にくっきり黒く現れ、不思議な印象が残った。
まもなく自分のカメラも改造して携帯するようになった。
植物の神秘的な美しさ、強さ。
畏敬の気持ち、生物の共存。
現実なのに非現実、遥かな緑の記憶。
一瞬植物の声聞こえた気がした。
このカメラを使うと、新鮮な気持ちになり、透明な世界が広がった。
僕はそこに居た。
力強く生きている自然の中で、生かされている事を感じる。
小さい頃の澄んだ空気を見たくて、またカメラを持って歩く。
(展示作品 モノクロ43点)
<柏木善郎略歴>
1948年 東京生まれ
1971年 日本大学芸術学部写真学科卒業
株式会社博報堂入社
2008年 日本大学芸術学部写真学科非常勤講師
フリーランスカメラマン 日本広告写真家協会特別会友