国境なき子どもたち(KnK)写真展 2014

「パレスチナ、壁に閉ざされた誇り高き子どもたち」

2014/04/24 ~ 2014/05/07

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国境なき子どもたち(KnK)は世界のストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子ども、大規模自然災害や国内騒乱で不安定な状況下にある子どもなど、恵まれない青少年を支援するNGOです。世界の子どもたちと「共に成長していく」ことを理念に活動を開始したのが1997年、現在では活動地は約10の国と地域にまで広がっています。

1973年、当時ロンドンに住んでいた僕はクエートに行ったことがあった。そこで会ったとても美しく利発そうな女子学生にカメラを向けた。「クエートの方ですか?」「そうじゃないの、私はパレスチナから来ているの、でもね、私たちの国はないのも同然なの」当時23歳の日本を出て3ヵ月、世界の何も知らない僕は、ふと見せた彼女の祖国への寂しい想いを少なからず感じて、キャンパスの中に消えて行く後ろ姿を見送った。その彼女の祖国パレスチナに僕は初めて旅することになった。
2013年11月のことだった。パレスチナには地中に埋蔵された資源はない。これといった産業もない。それどころかイスラエルとの争いがあるのみだ。数日パレスチナにいると彼らのフレンドリーな気質のお陰で、とても元気になっている自分を発見した。そんな彼らは僕に言う。「イスラエルの人たちだって、我々とブラザーなのに!なんで紛争が続くのかね?政治が全て悪いんだよ」
毎日KnKのセンターに行った。ここでは地域の子どもたちを集めて教育支援をしている。ここで働いているパレスチナ人の先生たちは口を揃えて言った。「世界の人は、我々はテロリストだと言うけれど、それは間違っている。我々大人は、子どもたちが決して希望をなくさず、恐怖を感じることなく立派な大人になって欲しいと願っているの!」そうした子どもたちを目の前にして、彼らのために僕は何を撮影すれば良いのだろうか。出て来た結論は「彼らのパレスチナ人としての誇りを撮るべきではないか」ということだった。パレスチナとイスラエルを分離する壁。そうした対立があるのに友好的に解決する術を誰も知らない。だがパレスチナには誇り高きフレンドリーで美しい子どもたちがいることをただ知って欲しいのである。           ハービー・山口 (モノクロ約40点)

写真家ハービー・山口によるギャラリートーク

司会:渡辺真理(予定)
4月26日(土)14:00より
※要申込 国境なき子どもたちE-mailへ kodomo@knk.or.jp

主催:国境なき子どもたち(KnK)
企画・構成:国境なき子どもたち(KnK)、FID/映像開発フォーラム
協賛:堀内カラー
協力:G.I.P.Tokyo

【ハービー・山口】 プロフィール

1950年、東京都出身。デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。そうした中で撮影された、生きたロンドンの写真が高く評価された。帰国後も福山雅治など、国内アーティストとのコラボレーションをしながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで残している。「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになる様な写真を撮りたい」というテーマは、中学時代から現在に至るまでぶれることなく現在も進行中である。写真発表の傍ら、エッセイ執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティー、さらには布袋寅泰のプロジェクト「ギタリズム」では作詞家として参加している。

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〒160-0022
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開館時間 : 10:00~18:00
(最終日 : 10:00~15:00)
休館日 : 日曜日・祝日の一部(お問い合わせください)

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