シリウスブログをご覧のみなさま、こんにちは。
立春を過ぎ、時折あたたかく感じられるこの頃、
シリウスには九州で越冬していたアオサギが北海道より一足先に飛来しました。
身近ながら美しき知られざるアオサギを北の美しい大地の風景と共に収めた写真展
内海千樫氏の『水辺の貴公子「アオサギ」』が開催中です。
アオサギ【蒼鷺】の「蒼」は日本古来の表記でくすんだ青色のことを指し、英名はGrey Heron。
青というよりもおぼろげで濃淡のある灰色をしています。
全長90~98センチ翼を広げた長さは175~195センチにもなる日本で繁殖する最大のサギです。
北海道に春先に飛来し、初秋に帰っていくアオサギを、飛来から子育て、巣立ち、旅立ちまで丁寧な解説が添えられた53点。
高さ20メートルにもなる櫓を立て、かぶせたテントの中に穴を数カ所あけ、
まんじりともせずに追い続けた内海氏の渾身の写真がずらりと並びます。
コロニー(共同巣営地)の中で、子育てに奮闘する両親、
外敵の多い環境でたくましく成長していく子供達を、生き生きと鮮やかに写しています。
羽化の瞬間を捉えた写真では、最初のひび割れからヒナがでてくるまで、
なんと6時間もかかるんだとか。並んだ写真の間に、息をつめてカメラを構える姿が浮かんできます。
巣を補強しすぎたあまり、バランスを崩しヒナが落下してしまった夫婦のがっくりと頭をたれ嘆く佇まいに心を打たれます。
絶滅保護種ではないアオサギは、養殖場を荒らす害鳥として、駆除の対象になる事が多く見られ、生息する2万羽のうち、3000羽、1割も駆除されているという現状を憂う内海氏。
5個程度の卵から巣立っていく成鳥は半数ほど。すらりと大きなアオサギの体重はたったの1.5キロ。
羽を広げた雄大な姿からは想像もできない、華奢な体躯なのです。
16年に渡って追い続けたアオサギ、その姿をいとおしそうに話される内海氏の温かいまなざしが感じられる作品展です。
●開催期間:2013年2月7日(木)~2月13日(水)
●開館時間:10~18時(最終日は15時まで)
●休館:日曜日(2月11日(月)は開館しております)
みなさまのお越しを、心よりお待ちしております。