シリウスブログをご覧の皆さま、こんにちは。
当ギャラリーでは、本日より新しい写真展がスタートしました。
宮本成美・水俣写真展
「まだ名付けられていないものへ または、すでに忘れられた名前のために」
期間:4月7日(木)~4月13日(水)
戦後日本が遂げた経済発展の裏で起きた悲劇、公害病問題。
その一つである「水俣病」により苦しみ、闘った人々の姿を捉えた写真が展示されています。
(モノクロ写真、約80点)
水俣病と闘う人々の生きざまを見て魅力を感じたのと同時に、
自分を含む“一般の人間”もある意味では加害者ではないかと気づいたことが
このテーマに取り組みはじめたきっかけだったという宮本氏。
作品では、水俣病を取り巻く様々な人の姿に肉薄しています。
家族の遺影を掲げる人。
募金活動をする若い女性。
座り込みをする男性。
公害の原因となった企業の社員。
1970年から約40年かけて撮影された写真の数々は、
この問題がどれだけ多くの人に影響を与えたか、
そしてどれだけ長く続いているかを物語っています。
展示のタイトルに込められているのは、
そんな人々への想い。
「まだ名付けられていないもの」は、
これから生まれてくる命。
「すでに忘れられた名前」は、
亡くなった人々、時代の枠組みから切り捨てられてしまった人々
を意味しているそうです。
そして、
「この反省をもとにして、乗り越えたところに未来があるはず」
というメッセージを込めているとのことでした。
★チーフディレクター・山下が語る今回の写真展の見どころ
「東京出身の宮本氏が現地に赴いて撮影してきた作品群。
報道されない実情や、地元の人々の心情がひしひしと伝わってきます。
また、すべてがモノクロで大変インパクトのある写真。
一枚一枚に力強さがありつつ、この問題と闘う人々の心の奥底や、
撮り手の思いやりが感じられます。」
————————————————-
展示の最初に目に飛び込んでくるのは、
太陽の光が反射し、美しく輝く不知火海の写真。
このような美しい場所が二度と汚されることのないよう、
祈るばかりです。
写真展は4月13日(水)までの開催です。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
※平日・土曜は10:00~17:00まで、日曜日は休館です。
(この記事は佐相が担当しました)