英 伸三 写真展 「桜狩り 昭和篇」

Vol.485  4月4日(木)~4月10日(水)

sirius_vol485

昭和47年(1972年)4月上旬、ふとしたことから桜を撮ってみたくなり、筑豊炭鉱地帯を皮切りに北上する桜前線を追う旅に出た。工場の煙突群の煙に燻されている桜、生えている木の大半が桜という瀬戸内海の無人島の桜、軍人墓地の桜、道路建設で削られた山肌にへばりついている桜、廃車置場の桜など、思いつくまま目に触れるままに撮り歩き、5月はじめ、津軽海峡を渡って函館に着いた。桜を見ながら日本列島を縦断する旅は、人間の暮らしを見る旅でもあった。人の暮らしのあるところには必ず桜があり、人がいなくなったところでも、ここにかつて楽しい暮らしがあったことを告げずにはいられないかのように、爛漫と咲き誇っていた。あれから40年、昭和という高度経済成長時代をモノクロームで撮った桜花に託し、写真構成してみました。添付写真説明・閉山し無人になった炭住街に咲く桜。福岡県田川市、昭和47年。
(モノクローム50点)

 

英 伸三 shinzo HANABUSA

1936年10月3日千葉市生まれ。東京綜合写真専門学校卒。フリー。1960年代から農村問題などを通じて日本社会の姿を追い続けた。1992年からは中国の上海と江南一帯の明、清時代の面影を残す運河沿いの鎮を訪ね、「改革・開放」の近代化政策によって姿を変えていく街のたたずまいと人々の暮らしぶりを記録している。日本写真家協会会員、現代写真研究所所長。

主な著作・写真集
1971年「農村からの証言」(朝日新聞社)。1978年「1700人の交響詩」(高文研)。1982年「天地無用」(晩聲社)。1983年「偏東風に吹かれた村」(家の光協会)。1984年「新富嶽百景」(岩波書店)。1989年「英伸三が撮ったふるさときゃらばん」(晩聲社)。1989年「日本の農村に何が起こったか」(大月書店)。1990年「一所懸命の時代」(大月書店)。1995年「町工場・鋼彩百景」(日本能率協会マネジメントセンター)。2001年「上海放生橋故事」(アートダイジェスト)。2006年「上海天空下」(日本カメラ社)。2007年「里と農の記憶」(農林統計協会)。2012年「桜狩り 昭和篇」(日本写真企画)など。

主な写真展
1964年「盲人-その閉ざされた社会」(富士フォトサロン)。1968年「農村報告」(銀座ニコンサロン)。1990年「一所懸命の時代」(コニカプラザ)。1997年「老街茶館」(コニカプラザ)。2010年「浅草 初春 事始め」(アイデムフォトギャラリー「シリウス」)など。

受賞
1965年、個展「盲人-その閉ざされた社会」と「アサヒカメラ」の《農村電子工業》で日本写真批評家協会新人賞、日本写真協会新人奨励賞。1971年、写真集「農村からの証言」で日本ジャーナリスト会議奨励賞。1982年、写真展「桑原史成・英伸三ドキュメント二人展」で第7回伊奈信男賞。1983年、写真絵本「みず」でボローニャ国際図書展グラフィック賞。

  

関連する写真展


PageTop