池谷俊一 捨診界典 「~KAOSとは半過去と暗室からのメッセージ~」

Vol.435  3月8日(木)~3月14日(水)


sirius_vol435

人間の顔の写真作家として26年が流れた。私のコンセプトは鮮明であって、日本の写真史が創り得なかった領域の作品群と思っている。顔の数は3000人を超えているが、「作品」としての質はやはり1000人程であろう。私の前の時代の作家群にも良作が多いが、どちらかといえば「記録写真」が役割であって、新聞や雑誌等の印刷物に使う為の情報源の気配がする。当時の社会背景からして映画監督や洋画家や日本画家や文学者や能役者からみればまだまだ写真家は其の地位を高所に置いてはもらえなかったはずである。其の苦労を考えれば現代はむしろメグマレスギである。私の33回目のこの個展はそれらKAOKAOKAOSのライフワークから少し離れる。防湿庫にぎっしりと詰まったKAO以外のNEGA。能。地元の富士山。そして現代若者に教示する写真抽象美。蕪辞なる展ではあるが、これから写真家で食べてゆく次世代への私なりのヒントと思う。FSCからDSCへ。世は変わった。ドット文明でプロは食べられるか。個美は創れるか。記録だけの高校生でも成立する写真次元か。私は写真というものの現代性と問ひをこの展で叫びたい。写真洪水と写真安易の時代。それに対して一作一作暗室で現像する地味な仕事に走行する私に、映画監督新藤兼人は言及する。「強くてイイネ」と。

池谷 俊一 (いけたに しゅんいち) プロフィール

現在日本写真家協会会員、キヤノンプロ会員、写遊人主宰、静岡県映像CG協会顧問。
池谷研主宰
1943年 静岡県御殿場市生まれ。
1988年 新宿オリンパスホール写真展
1990年 写真集「顔カオカオス」(装丁・池田満寿夫)
1999年 「池谷俊一写圧界」 神田オリンパスギャラリー
2000年 映画「狗神」原田真人監督よりインサート写真ポスター写真依頼受制作
2001年 「KAOS15年記念展」 銀座キヤノンギャラリー
2002年 鎌倉極楽寺「GOKURAKU亭」ギャラリー1ヶ月特別企画展
2003年 「日本美賛歌」倫理研究所制作依頼受け18点制作
2005年 「モン・ミュゼ美術館企画展」100点出品
2006年 「KAOKAOKAOS20周年記念展」 アイデムフォトギャラリーシリウス
東海大学非常勤講師依頼される
2007年 秩父宮邸企画展「池谷俊一芯界展」
2010年 富士市ZAPPA企画「池谷俊一捨心展」
2011年 「わが母の記」原田真人監督モントリオール映画祭準グランプリスタッフ参加
           主宰指導する写真研究会「写遊人」20周年

  

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