エリオ・チオル 写真展 「ネオレアリスモの時代」

Vol.403  6月16日(木)~6月29日(水)


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<ネオレアリスモの時代におけるエリオ・チオル。1950-1963>
 ネオレアリスモは、イタリアにおける戦後の重要な運動です。それには、文学、舞台芸術、美術、映画、そしてもちろん写真も含まれます。それは、1945年から60年におけるロベルト・ロッセリーニやヴィットリオ・デ・シーカのような巨匠の作品によって、今日でも国際的によく知られています。
 イタリアのネオレアリスモは、社会の底辺に生きる人たちの生活改善を目標にプログラムされた様々な顔を持つ運動です。今日、様々なネオレアリスモへの視点は、少なくとも三つの方向に読み取ることができます。  
一つ目は、今日に至るまで私たちに活発な議論の場を呼び起こしてくれるということ。
二つ目は、歴史としての視点。戦後のイタリアは歴史的に深くかつ急激な変化が生まれた時代です。ほんの数年間での農業経済から工業経済への移行です。すべての分野でのネオレアリスモの研究者たちの興味が、短い時間で消滅してしまった社会の様々な視点に集中して、様々な分野での研究がすべて短い時間の出来事としてとらえられているのは偶然ではありません 
そして第三の方向。これは、様々な異なるスタイルにおいて一般的な言語へと発展する道筋です。エリオ・チオルが初期においてたどった道がこの方向の典型的な例といえるでしょう。世界の変化を記録するドキュメントから、美術としての写真における個人的な言語の発展。
イタリアの評論家シルヴィア・パオリがエリオ・チオルの「ネオレアリスモの時代」(2009)の序文に記したように、初期の作品は彼の最初の出発からその時代時代における彼の絶え間ない技能の修得の記録として紹介されるものです。それらは、彼の父親のスタジオで修得した工芸的な嗜好として理解されるものです。
そこから何年もかけて導かれたのは、完璧さです。風景における人間の徴しから直接、間接に見られる人間の経験に対する情熱へ、そしてついには深い精神的なインスピレーション、あらゆる状況に響き合う個人的な信念を表現できる能力へと至ったのが、エリオ・チオルの写真です。

 

エリオ・チオル Elio Ciol 略歴

写真家
1929年 Casarsa della Delizia (Italy) カサルサ・デッラ・デリツィア生まれ、現在もそこで生活。写真家である父親のスタジオで働くことからスタートする。
1955-65年Udine Film Society ウディーネ・フィルム協会に所属していくつもの16mmのドキュメンタリーを制作。ふたつのアマチュアのコンテストで受賞をする。
1955-60年ヴェネチアの’Gondola’ゴンドラ写真クラブに所属
1962年Vito Pandolfi と D. M. Turoldo 神父の映画 ‘Gli ultimi’ (最後の瞬間)に写真家として参加
1963年ミラノのイメージによる言語学習のための ‘Arnaldo and Fernando Altimani Foundation’ (アルノルド・アンド・フェルナンド・アルティマーニ基金)に Luigi Crocenzi ルイジ・クロチェンツィと共同で参加。
1963年Milan Ambrosianeum ミラノ・アンブロジアネウムが彼の ‘Gioventu Studentesca’ (学生の若々しさ)の写真活動を展示。
エリオ・チオルはイタリア国内外で数多くの展覧会を開催しているが、とくに重要なのは、
1999年Udine ウディーネ市美術館、聖フランチェスコ教会大ホール(ウディーネ市)
2004年Palazzo del Monte di Pieta モンテ・ディ・ピエタ宮殿(パドヴァ市)
2006年Udine Diocesan Museum ウディーネ教区美術館、Tiepolo Gallery ティエポロ・ギャラリー(ウディーネ市)
2006年Cohen Amador Gallery, New York コーエン・アマドール・ギャラリー(ニューヨーク)などである。

 

  

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