安島太佳由 写真展 「上原良司と特攻隊」

Vol.354  5月13日(木)~5月26日(水)

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戦後65年が過ぎた現在では戦争記憶の風化が進み、次世代に戦争の記憶を語り継いでいくことが難しく なっています。戦後生まれの戦争を知らない世代が7割を占め、今後ますますその度合いは増していきます。 この命題のまえで私たちは何をなすべきでしょうか。
その一つの答えとして、戦争を知らない私たちの世代が、さらに若い世代の人たちに戦争の記憶を語り継いでいかなければならないと思います。この写真展は、プロジェクト「若い世代に語り継ぐ 戦争の記憶」の企画作品として開催するものです。 慶應義塾大学在学中に学徒出陣、1945年5月11日に鹿児島県の知覧飛行場から沖縄へ向け特攻出撃し戦死した特攻隊・上原良司の22年の人生を振り返りながら、特攻隊とは、戦争とは、日本国家とは何であったのか、そして命の尊さについて考えてみたいと思います。
5千人を超える特攻作戦の戦死者の中で、一特攻隊員であった上原良司の名を一躍有名にしたのは『きけわだつみのこえ』岩波文庫改訂版の冒頭に掲載された「所感」の内容があまりにも衝撃的であったためです。
特攻出撃前夜に書かれた7枚の「所感」は、良司自身の国家感や思想、特攻への想いが書き記されています。 そして最期に「明日は自由主義者が一人この世から去っていきます。」と締めくくっています。 戦後の大ベストセラー『きけわだつみのこえ』が、社会に大きな衝撃が与えたことは周知の事実ですが、その冒頭を飾ったこの良司の最後の言葉が、私たちに遺した意義は計り知れないものがあります。 この「所感」を中心とし、遺書、遺品、遺影、家族や初恋の人の写真、故郷・知覧特攻基地・沖縄の風景、学生時代・兵隊時代の良司の足跡をたどり、遺族や関係者の証言などを盛り込みながら「上原良司」の22年の人生にせまりたいと思っています。そして若い世代の多くの方々に上原良司のことを知ってもらいたいと考えています。また同時に特攻がどのような作戦であったのかも紹介していきたいと思います。 (カラー&モノクロ 約50枚)



Photographer Profile 安島太佳由 (やすじま たかよし)

1959年 福岡県生まれ。  1981年 大阪芸術大学写真学科(故井上青龍ゼミ)卒。
大日本印刷株式会社写真部、広告制作会社などを経て、1993年 安島写真事務所を設立し、フリーランスとして活動開始。
1995年より日本の戦跡をテーマに活動を続ける。
平成6年度文化庁芸術インターンシップ研修員。社団法人日本写真協会会員

[個展]
1983年 「チャイナタウンの人々」 新宿ニコンサロン
1990年 「中華人民の素顔」 オリンパスホール
1991年 「新疆ウィグル」 コニカフォトギャラリー東京・大阪
1995年 「トカラ」 銀座ニコンサロン
1998年 「戦後50年 東京への旅」 フォトスペース光陽
1999年 「東京痕跡」  フォトスペース光陽
2002年 「日本戦跡」  フォトスペース光陽
2002年 「戦跡が語る、本土決戦」  銀座・大阪ニコンサロン
2004年 「記憶のない戦争」  新宿ニコンサロン
2005年 「沈黙の風景-戦争の記憶」  辰野美術館
2006年  「闇に眠る小笠原」  銀座・大阪ニコンサロン
2008年 写真集「要塞列島」出版記念写真展    アイデムフォトギャラリー「シリウス」

[写真集]
1999年 『東京痕跡』 安島写真事務所
2002年 『日本戦跡』 窓社
2004年 『特攻漂流』 窓社
2008年 『要塞列島』 窓社

[著書]
2002年 『日本戦跡を歩く』 窓社    
2003年 『日本の戦跡を見る』 岩波ジュニア新書
2009年 『訪ねて見よう!日本の戦争遺産』角川SSC新書

[受賞]
2002年 第8回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞


  

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